イカ墨(イカすみ)は、イカが水中に排出する、粘性の高い黒褐色の液体である。主に、捕食者から逃れるために使われる。
近縁なタコも墨を吐くが、組成などが異なる。
主に地中海地方でイカ墨を調理に使う。パスタソースに使ったイカスミスパゲッティや、パエリア(アロス・ネグロ)に混ぜるなどして使われる。
日本では、中世にポルトガルの宣教師から伝わり「イカ墨汁」などで食材として使われていた。江戸時代には例えば黒作り(富山県の郷土料理で、イカの塩辛にイカ墨をつけたもの)などが作られていた。現代はイタリア料理・スペイン料理の影響から、和食・洋食に使われるようになった。
タコ墨はイカ墨と比べて旨味成分であるアスパラギン酸やグルタミン酸等のアミノ酸を豊富に含むが、取り出すのが困難で量が少ない。これに対して、イカ墨は粘性が高くタコ墨よりも料理に適する。