ADE関連の急性肺損傷は、重症急性呼吸器症候群(SARS)と中東呼吸器症候群(MERS)の両方の動物モデルについて論文化されている[23]。これは、初期感染、再感染、ワクチン接種後の感染中に発生する可能性がある。例えば、MERS-CoVを鼻腔内感染させたウサギは、ウイルス血症と肺の血管周囲炎、中和抗体を欠いた抗体反応を特徴とする肺感染症を発症した[49]。ウサギは最初のMERS-CoV感染後には中和抗体を産生したものの、ウイルスへの再曝露に因りより重篤な肺疾患を発症した[49]。同様の結果はマウスにSARS-CoVを再感染させた場合やワクチン接種したマウスにウイルスを感染させた場合にも観察された。マウスは、SARS-CoV自体による再感染後または4種類のワクチン接種後に中和抗体を発生させる事が出来たが、これらの群が対照群と比較してウイルスから保護されているにも拘わらず、SARS-CoV再感染後に全ての群が免疫病理学的な肺損傷を発症した