2002年、クロアチア、ポガニカ湾の水深54メートルのところにある水中洞窟で、ダイバーたちがM・Kの遺体を発見した。ダイビングマスクははぎとられ、胸には30センチのナイフが刺さっていた。
最初、警察は殺人事件として捜査した。M・Kは友人たちとケーブダイビングに来ていてため、彼を刺して洞窟に遺体を隠した犯人はその友人のひとりではないかと思われた。
しかし、解剖の結果、彼の死は殺人よりももっと恐ろしい結果であることが判明した。M・Kは、洞窟の迷路の中で迷ってしまい、酸素がなくなりかけて溺れそうになった。ふたつの岩の間にある気泡を求めて上昇しようとしたが、それでも生き延びるには十分ではなかった。彼はここで死ぬと気づいたが、それは想像を絶する恐怖と苦しみだったろう。溺れ死ぬときの苦しみはとても堪えがたいものだという。M・Kはその地獄の苦しみから逃れるために、自ら胸にをナイフで突き刺したのだ。