超音波は,筋硬度の低下と感覚閾値の上昇により ROM を増大させ,さらに 30 分間持続的にその効果が維持されることが示唆されている

ROMに対する効果として,第1に超音波が高閾値機械受容器やポリモーダル受容器,筋紡錘などの感覚受容器に影響を与えたことが考えられる。第 2に,超音波が筋硬度を低下させ,筋を主とした軟部組織の伸張性を増大させたことが要因として考えられる。これら神経性要因および物理的要因から,感覚閾値や組織伸張性の増大を引き起こし,ROM を持続的に増大させたものと考える。これらの効果の持続性は,超音波照射後の組織温度の経時的変化からも超音波の温熱効果と超音波刺激そのものから得られる機械的効果が影響したものと考えらる