読売新聞は5月、経済安全保障の強化策を練る自民党の「ルール形成戦略議員連盟」甘利明会長による関連会議内の発言を報道している。それによれば、「日本学術会議は軍事研究につながるものには一切協力しない、させないとしながら、中国との研究に協力するのは学問の自由だと主張し、政府は干渉するなと言っている」とその矛盾を指摘した。
甘利議員は重ねて、日本学術会議と中国共産党が国家的に率いる海外ハイレベル人材スカウト計画「千人計画」との協力があると指摘しているが、明確な関連資料を公表していない。
米国は千人計画をはじめとする中国の人材招待計画に危機感を示している。米国議会上院の小委員会が2019年11月に公表した報告によると、千人計画に参加する研究者が中国に渡ることで、米国政府の研究資金と民間部門の技術が中国の軍事力と経済力を強化するために使われる。連邦捜査局(FBI)は近年、中国研究者および中国共産党のプログラム参加者を虚偽申告、ビザ詐称、電信詐欺などの容疑で逮捕している。