「美味い」にも段々があって、味覚の程度も、生得的にひとりひとり違っているから、無差別に断を下すわけにはいかない。年齢差という感覚の相違もあって、美味い、不味いは、一概に言ってのけるわけにはいかない。誰が美味いと言ったか、不味いと言ったか、その言った人により判断するより仕方がない。

出典 『味を知るもの鮮し』