セラリーニ氏の研究報告は、実験計画や統計分析、そして結果の解釈や発表の仕方も不完全であったため、一般の人々、科学界、そして医学界からも、世界的な規模で批判されたのです。指摘された問題には、広く知られた事実、すなわち、実験に供されたラット(Sprague-Dawley系統)が、どの様な餌を与えるかによらず、2歳前後で腫瘍を発達させやすい系統であったことも含まれます。セラリーニ氏は、腫瘍の発達が、餌に含まれたGMトウモロコシのためであるとしていますが、GMトウモロコシを含まない餌を与えられたラットでも、腫瘍だらけになっていたことを示す写真を、容易に載せることが出来たはずです。セラリーニ氏のデータ分析もまた、異常なものであり、ドイツのリスク評価機関は、「全く理解できない」と断じています。