傷酒[しょうしゅ]
飲酒過度によりおこる病証を指す。酒の性は熱で毒がある。もし飲酒過量になると、頭暈頭痛・悪心・嘔吐・躁動あるいは昏睡する。治療は和胃醒酒の法によく、縮脾飲、葛花解醒湯などを用いる。もし長期にわたって多量に飲酒しつづけると、脾胃を傷り、胸隔痞塞・飲食減少・大便溏泄をあらわす。治療は健脾利湿の法によく、胃苓湯や五苓散を用いる。脾腎の両虚は胃関煎などを用いる。陰血が傷れて潮熱動血するものは、涼血養陰の法によく、黄芩芍薬湯、清化飲<ともに景岳全書>などを用いる。もし傷酒が甚だしくなると癥積・黄疸・鼓脹などを生じる。