万人が日常食とするお惣菜料理の大部分は、あきらめの料理であって気の毒である。高いものは食えない、料理の工夫は知らない、旧慣をあり難がたいものにして、自分たちはこれでよいのだとあきらめているからである。 これにつけ込んだというわけでもあるまい、放送料理という困った料理放送が続いている。

出典 『味覚馬鹿』