京阪のような大都会でさえ、のりの焼き方を知らないのであるから、いわんや地方ではいうをまたない。東京といっても、地方の人が大部分で、存分なのりの焼き方のできるひとは稀なことであろう。百円ののりを五十円ぐらいに下落させて食べているのが大部分である。

出典 『雑煮』