「なぜ安定通貨として円が選ばれるのか、ドルは候補にあがらないのか?」という疑問については、アメリカが世界最大の対外債務国である(日本のように対外債権国ではない)ことや、9.11世界貿易センタービルのテロによる「安定の崩壊」を考慮すれば回答することができます。

当時はいまだに「世界情勢が不安になったらドルを買っておけば間違いない」という考えが残っていましたが、歴史に類をみない世界リーダー国のテロ事件によって、ドルを安定資産として保有しておくという考えが消えてなくなったのです。

本来安全資産である米国債もその価値を失い、途方に暮れた投資家が逃げたはけ口が円だったというわけです。