その今井尚哉政務秘書官が、2021年9月の安倍政権の任期満了後、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)理事長に就任する見通しとなった。もともと経済産業省でエネルギー部門が長く、本人も望んでいたようだ。
 首相補佐官は五人いるが、今井氏は史上初めて政務秘書官と兼務しており、「今井氏の給与はこれで、年間1800万円から2357万円に跳ね上がった」(『文藝春秋』12月号)とされる。JOGMECの理事長の年収は約2200万円で、転職すれば、空前の特権役人生活を引き続き謳歌できることになる。
「官邸の黒幕」「影の総理」とも揶揄される今井秘書官は、首相の威を借りて政策を操ってきたとの見方もある。その影響力は外交にも及び、対米、対中、対露など主要国外交は今井秘書官が取り仕切る。6月のプーチン大統領訪日時に、ロシアが進める北極海の大型液化天然ガス(LNG)開発プロジェクトへの出資を決めたのも今井秘書官のようだ。