最近、各国のもつ「特許力」に関して、結果がまったく異なる2種類のレポートが公表された。
ひとつは、日本貿易振興機構(JETRO)の「世界の特許出願件数増加を中国が牽引」と題されたレポート(1月30日付)。
世界知的所有権機関(WIPO)や日本の特許庁が公開しているデータなどをもとにしたもので、世界の特許出願件数でほぼ半数を占める中国の躍進が強調されている。
もうひとつは、米調査会社クラリベイト・アナリティクスが発表した、知財情報にもとづいて世界で最も革新的な企業を選んだランキング「Derwent Top 100 グローバル・イノベーター 2020」(2月19日付)。
世界トップ100社中、日本企業は32社を占め、アメリカに抜かれて前年の首位を譲り渡したものの、JETROレポートで躍進が報じられた中国を大きく引き離した。
(中略)
中国企業の特許出願件数は圧倒的だが、それを世界的に影響力のある形でイノベーションにつなげる力では、まだまだ日本企業が優っているということ