ブルームバーグ誌が報じたカナダのケースでは、狙われたのは大手通信機器企業ノーテル・ネットワークスで、1990年代後半から継続してサイバー攻撃が続けられていた。
ノーテル社からサイバー攻撃によって盗まれたのは、後に4Gや5Gなどにつながっていく米国の通信ネットワーク機器の設計図などの詳細情報や、財務状況、顧客との商談に使うパワポの資料など、貴重な資料の数々だった
(中略)
04年ごろになると、中国はノーテル社幹部らのアカウントを乗っ取るところまで深く侵入し、社内情報をそこから上海のコンピュータに送っていた。これは中国のサイバー攻撃の典型的な手法で、APT攻撃(高度で持続的な攻撃)と呼ばれている。
とにかく、時間をかけてじっくりと盗んでいくのが特徴だ。しかも根こそぎ情報を盗み出すため、この攻撃は「バキューム・クリーナー・アプローチ(掃除機戦術)」とも呼ばれた。