立憲が指導力を発揮できなかったのは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言中、「内閣が代われば、コロナ対応に遅れを来す。同じことが各地首長にも言える」(枝野氏)と候補者擁立に及び腰だったためだ。自主投票の国民は所属議員の支援先が割れ、幹部は「立憲が独自候補を出せばまとまっていた。れいわや維新を勢いづかせたのは、立憲の煮え切らない姿勢だ」と批判する。

 都知事選惨敗は、立憲と国民の合流構想など野党共闘のあり方にも影響しそうだ。国民の馬淵澄夫元国土交通相は合流に前向きだが、れいわの「消費税5%」に同調。前原誠司元外相や玉木雄一郎代表も維新との連携を探る考えを周囲に漏らしている。

 立憲の地方組織幹部は「都知事選が衆院選の縮図になるのではないか。野党の調整がつかずに候補者が乱立し、埋没してしまう」と懸念する。