中国は、中東などの地域において、空母を用いて軍事プレゼンスを示し、沿岸国等に対して影響力を行使することによって、中国の経済活動を有利に展開しようというのだ。軍事力によって相手国に圧力をかけ、中国の意に沿うように行動させるという意味にもとれる。

 さらに中国では、中国の空母外交が米中新型大国関係の構築を助けるといった論調も見られた。それまで米国と中国が新型大国関係を築けなかったのは、中国の核兵器と空母が不足していたからだとも言われた。中国が、十分な核兵器と空母を保有して初めて米国に対中軍事力行使を思い止まらせることができるという意味である。中国はパワーバランスの信奉者なのだ。