ビジネスプロセス(BP)にもとづく「全体最適」という言葉が、あらゆるビジネスシーンでもてはやされています。これは、抜本的な問題解決が求められる現在のコンサルティング・ニーズを反映したものです。
良い例が、サプライチェーン・マネジメント(SCM)です。SCMとは、製造-卸-小売の「分業」の歴史的流れを、「顧客満足の最大化」を理由に再統合を図る業界間の取り組みです。それは、「分業と特化」で分断された各パートの情報・製品・お金の流れ(情報流・物流・商流)を、ITの活用により同期(一致)させ、全体最適を実現するものです。
こうした考えは、工場や店舗といった現場レベルでも同様です。例えば、販売計画と同期しない生産計画では、在庫品やコストの増大、納入遅延の危険にさらされます。また、来店客数と同期しない人員配置(LSP:レイバー・スケジューリング・プログラム)や商品仕入では、お客さまへのサービスの濃淡、不満やクレーム、機会損失を発生させてしまいます。