「お腹が痛い」と一言に言っても、お腹のどのあたりが痛いのかによって原因として考えられる可能性の高い疾患が変わってきます。臨床の現場ではお腹をおへそを中心にして右上、右下、左上、左下の4分割に分けて、これにさらに心窩部(みぞおちのあたり)と臍周囲(お臍のあたり)という区分も追加して原因を推察していく場合が多いです。

心筋梗塞などお腹の以外の部位の異常が腹痛を引き起こすこともありますので、お腹以外の疾患も可能性の候補には挙げておく必要があります。急激な激しい痛みの場合は炎症、結石、腸閉塞、婦人科疾患など、すぐにでも治療を要する急性疾患の可能性があります。

また、慢性的に何となくお腹が重い、我慢できないほどでないにしても軽い痛みが続く場合などはがんが原因の痛みかもしれません。いずれにして、腹痛は放置すると生命に関わる恐れのある症状です。ためらわずに早い段階で医療機関に相談するようにしましょう。