腹痛のため、病院を受診する原因疾患として最も頻度が高いのが消化器疾患です。しかし、腹痛をきたす消化器疾患は多種多様で、自然に治癒する軽症の ものから、生命にかかわる重症なものまで幅が広く、診断が容易でない場合があります。診察医が迅速に正しい診断をして適切な対処をするために、腹痛に関す る情報を正確に伝えて頂くことが重要な役割を果たします。消化器疾患による腹痛は、発症様式、部位や性状、随伴症状などからある程度、原因疾患を推定する ことが可能であるため、診断に際して以下のポイントが役に立ちます。