避難生活の改善には様々な課題があるが、中でも災害発生直後の避難所設営時に適切な配慮ができるかどうかは、その後の環境の質を大きく左右する。

 地元の医療保健福祉関係者は被災者でもある。それは、避難所の健康を自らの問題として捉えられる専門職が、災害直後から現地にいるということである。BHELPは、この利点を最大限に発揮するための研修だ。DMAT研修をする日本災害医学会が開発した。

 災害時、混乱する被災地が支援をスムーズに受け入れるのは、かなり難しい。BHELPによって、地元がDMATなど外部チームとの共通理解を得ていれば「受援力」も高まる。それは、被災者の命と健康を守り、地域の復旧復興を早めることにつながるだろう。

 昨夏、真備地区で様々な支援活動をしたNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)」が今回の研修会を主催した。コーディネーターを務めた稲葉基高医師(40)は、浸水で孤立した、まび記念病院に最初に救援に入り、患者らの避難に尽力した。真備町での研修開催の思いを聞いた