「2000万円」の根拠となった「毎月の不足額約5万円」という数字は、総務省が公表している家計調査をもとにしたものだ。2017年の調査では、老後の夫婦2人(夫65歳以上、妻60歳以上、無職世帯)の毎月の平均的な実支出が月26.4万円なのに対し、受け取る公的年金は19.1万円で、そのほかの項目をあわせても実収入は20.9万円となっている。

月約5万円という不足額は、これらの差し引きによりすでに明らかになっていたもので、「30年で約2000万円」という数字は、単純に積算したものだ。