フルローンのメリットとデメリットを考えると、利用する際には何が大事なのかが見えてきます。
・必ず現金は用意しておくこと
フルローンで投資用不動産が購入できるからと、資金的な余裕がないのに不動産投資をすることはおすすめできません。投資活動には少なからずリスクがありますし、万が一の時に備えて現金を用意しておくことが大事です。
もちろんフルローンで不動産を購入できるからといって、ある程度の現金による支払いは必要です。中古物件であれば仲介手数料を支払いますし、登記費用などの諸費用は現金で用意する必要があります。それらを支払ったうえで、現金を残すだけの余裕は必要です。
・購入者としての信用力を高めておく
フルローンを利用するための条件として、不動産の担保価値ともうひとつ、購入者の信用力が必要です。いわゆる属性とよばれるものですが、具体的には勤務先への勤続年数や年収、過去の借入と返済履歴などをチェックされます。これらの属性を上げておくことで、フルローンを利用しやすくなります。
・金利の低い金融機関から借りる
フルローンを提供する金融機関はいろいろとありますが、それぞれ設定する金利が異なります。同じ融資を受けるのであれば、少しでも金利の低いほうが収益性も高まるので有利です。
中でも人気の高いのが、日本政策金融公庫です。民間の銀行などに比べて金利が低く、融資期間も長く設定できます。
日本政策金融公庫は一般的には、基準金利は1.25%から1.85%、借入期間は5年から15年です。ただし女性の場合には最低金利の0.55%で融資を受けることが可能です。日本政策金融公庫は、返済能力の高い人を優先に融資する機関ではありません。働き盛りの30代や40代の男性は、返済能力が高いにも関わらず融資がおりないこともあります。
ただし低金利での借入や、借入期間を長くするためには預貯金の残高やクレジットカードなどの借入残高、収入などが審査対象となります。借入をするには、やはり個人の属性を上げておくことが大事です。