しかし、60年に日米安保条約が改訂されると、ソ連は「外国軍が駐留する国とは、領土問題は存在しない」と主張し、4年前の日ソ共同宣言の中にある「9項」について反故(ほご)にしてきた。領土問題はないというから、日本は強く四島即時一括返還を主張したのである。「四島一括返還」という表現は、あくまでソ連時代の日本の主張なのである。