①なぜ、吃(ども)った場合の回避方法があるのに、吃音症持ちの人たちは苦しんでいるのか
その延長線上で
②それが吃音症がなかなか理解されない理由になっている
ことについて書いていきます。
まず①について。
例えば、バカみたいな話なんですが、「可愛い」が言えない場合に「キュート」と言い換えるとします。
例:この犬かっ…かかわいいね⇒この犬キュートだね
こんな具合に言い換えてるわけなんですね。頭良いですね~。
この場合「可愛い」の「か」の字が出てこなくて「キュート」に言い換えたわけですが、これでも充分に意味は通じますよね。
上記の方法までであったなら、何てことはない苦労ですよね。ただ別の言葉に言い換えれば済む話ですから。
ただし、ここからが肝なんですね…。ショボーン
吃音症には「順応」というものがあります。(※医学的に正しい呼び方かどうかは分かりません。)
名前から何となく察しの付く方もいるかと思いますが、具体的にどういうものなのかと言うと…
言い換えに使っていた言葉の語頭や、その言葉自体が、使っているうちに出て来なくなってしまうことを言います。
つまり、前述した「可愛い⇒キュート」の言い換えも、同じような文章の流れで使う場合には、いずれ
この犬き…きっキュートだね
という具合に吃ってしまうようになる可能性があるんですね。ただ、ここで誤解して欲しくないことが1つあります。
それは…
1度出なくなった言葉が、2度と出なくなる、あるいは一生涯その言葉を吃り続ける
ということではありません。
ここで、本日のテーマの2番目になってくるわけですね。
2番目のテーマは
②吃音症がなぜ、なかなか理解されないのかです。
こんなことを書くと、多くの吃音症持ちの方々から反感をかってしまいそうなのですが、吃音症を理解してもらうためにご了承ください。
それと言うのも、例えば、「1度発語できなくなった言葉が2度と出なくなる、あるいは、吃り続ける」のであれば、ああ、この人は吃音症なんだな、と分かりますよね。
しかし、上述したように、
1度出なくなった言葉が、2度と出なくなる、あるいは一生涯その言葉を吃り続ける
わけではないんですね。
昨日までは話せていた言葉が今日は出ない。反対に、昨日まで散々吃っていた言葉が今日はスラスラと出てくる。
そのため、自分が吃音症であることを報告しづらい、吃音症が広く認知されていないために説明もできない、第一、説明する際に言葉が出てこなくなってしまいそうで説明ができない、又は吃音症があまり理解されていないために吃音症であることを告白したらどんな目を向けられるか怖くて告白できない…等(吃音・負のスパイラルとでも命名しましょうか。えー)