田中さんや井田さんのお話を聞いていたら、筆者もつい「わたしもマンション投資をはじめてみようか…」と思ってしまったのだが、お二人のように健全な投資を続ける人がいる一方で、詐欺まがいの強引なセールスを受け、法律事務所に相談に訪れる人も増えているという。
「相談内容で圧倒的に多いのは『事前の説明と違うので、契約をなかったことにできないか?』というもの。次に『買う約束をさせられて無理矢理アポを入れられてしまったが、契約したくない』という相談です」
コンコード法律事務所の金子愛弁護士は、マンション投資に関する相談件数の増加を受けて弁護士仲間と共に『マンション投資被害弁護団』を立ち上げた。
「“現状よりもより良い生活を送れること”を謳い文句にした勧誘電話をきっかけに、一件購入すればまた1件…と複数の物件を契約させられて、結局は何の節税対策にもならず、むしろ大赤字になって多重・高額な債務者に陥ってしまうこともあります。特に、一般的な給与所得者(サラリーマン)の場合には、破産を検討しなければならないほどの莫大な債務を抱えてしまうケースもあるのです。