くも膜下出血は脳動脈瘤と言われる血管のふくらみがある日突然破裂することによって起こります。原因としてはこの脳動脈瘤破裂が殆ど(80〜90%)です。頻度は約20人/10万人人口/年(日本)、好発年令は50〜60才台,女性が2倍多く、危険因子として高血圧・喫煙・最近の多量の飲酒、家族性などが言われています。(図1)
脳動脈瘤は血管の分岐部の血管が弱い場所に発生します。嚢(のう)状動脈瘤といい血管の分岐部に風船のように発生します。通常血管は弾性に富む強い組織ですが、血管の弱い箇所から発生する動脈瘤は強い構造を有していません。ですから動脈瘤は破裂し、クモ膜下出血や脳内出血を起こすのです。動脈瘤は通常10ミリ以下の大きさですが、5%程度で大型(11ミリ以上)になり、治療が難しくなってきます。また動脈瘤は大きくなってまわりの神経や脳を圧迫して症状を出す場合もあります