耐性には2種類あると考えられている。1つは、「偽耐性」と呼ばれるもので、硝酸薬によってレニン・アンジオテンシン系やバソプレシンなどの神経体液性因子が活性化され、そのために血管の収縮や体液量の増加が起こり、耐性が生じるというもの。もう一つは血管平滑筋におけるcGMPの産生が障害されて硝酸薬の効果が減弱する「血管耐性」である。

ACE阻害薬は、亢進したレニン・アンジオテンシン系を阻害して耐性を回避する。むしろ、確実な耐性回避の方法として知られているのは硝酸薬の間歇投与療法である。