前田建設事件(松山地裁 平成20年7月1日)

<事案の概要>
 Y社の従業員であったAが自殺したのは、上司から社会通念上正当と認められる職務上の業務命令の限界を著しく超えた過剰なノルマ達成の強要や叱責を受けたことなどにより、心理的負荷を受けてうつ病を発症し又は憎悪させたからであるとして、Aの相続人であるXらが不法行為に基づき損害賠償金を、予備的に債務不履行(安全配慮義務違反)に基づき、損害賠償金の支払いを求めた事件。

A(営業所長)が自らの営業成績を仮装するために行った不正経理についての取り扱いが問題となった。

X1:約473万円、弁護士費用50万円
X2:約2362万円 弁護士費用240万円


【2審 高松高裁 平成21年4月23日】
・上司の叱責等は社会通念上許容される正当な業務範囲内
・損害賠償金額 0

不正経理に関連するハラスメントで従業員が自殺した事件。

1審で「3,000万以上の損害賠償金」の支払いを認めながら、控訴審で一転「損害賠償金額0」に。

原告側は、なぜ上告をしなかったのでしょうか?

金銭の譲渡はあったのでしょうか?