【—なぜ、ブラジルへ行こうと思ったのですか?】

三浦知良選手が大好きだったからです。カズ選手も15歳でブラジルに行きプロ契約を結び、その後は色々な国でサッカーをしていましたしサッカー選手としても人間としても凄く憧れていた人でした。


【—16歳で単身ブラジルに1人で行き不安や周りからの反対はなかったのですか?】

もちろんみんな最初は反対していましたね。でも父と当時担任の上杉先生と田口監督だけは賛成してくれました。人生1度きりだし自分の人生なので、夢を本気で叶えたいなら頑張って来いと言われました。でもやるからには最後まで諦めないで責任を持ってやりなさいと父との約束でした。母は猛反対でしたね。最低限、大学を卒業してから行ってくれと言われました。でも短いサッカー選手人生から逆算すると、大学を卒業して22歳で海外に行っても遅いし若い時に行くから意味があるんだと、僕はサッカーの世界で生きていきたいんだと1ヵ月間くらい説得をしました。それで高校は通信制に転校して、母とは高校だけはどんな形でも卒業するとの約束で納得してくれました。


不安はまだ16歳で若かったせいか全然なかったです。日本でも柏レイソルで全国大会3位にもなりましたし、ユース日本代表にも選ばれて自信だけはありました。でもここだけの話、中学生の時に柏レイソルのセレクションを受け不合格になったんです。でも悔しくて悔しくて納得が出来ず、当時3歳からの幼馴染だった菅沼実君(現ロアッソ熊本所属)がレイソルに在籍していたので、お願いをして2人でレイソルの事務所に行き、もう1度チャンスをくださいと頭を下げ頼みに行ったんです。そしたら次の日から練習参加してくれと言われて、1ヵ月後には合格しました。その後は個人として半年で全国大会3位になり、ユース日本代表にも選ばれてサッカー人生が180度変わりました。もともと市選抜や県選抜にも選ばれなかった選手だったので。自分にとってはその経験が凄く自信に繋がりました。当時13歳でしたが諦めなければ絶対に夢や目標は叶うと思いました。