留学先の自分の屋根裏のアパートに戻ると、手紙が届いていた。

なんと彼女からだった。正直、生まれて一番びびったかもしれない。

封筒を開けると、酷いものだった。錯乱していた。

辛うじて内容はつかめたが、本当に荒れた字だった。

わたしはしぬ。あれからずっとおいまわされてる。

げんじつにもゆめにもずっと、あのおとと、あのふたりがついてくる。

読める範囲で理解できた言葉はそれだけだった。

ただ、デッサンが同封されており、なんてことは無い、
俺のアパートの丸窓だった。

俺はあまり泣かないほうだが、この時ばかりは泣いた。

15年ほど前にオヤジが死んだときも泣いたが、それ以上に泣いた。