やがて女はAの側を離れ、雪の斜面を下り始めました。
すると、Aもその後を追うように、立木の中へ入って行きます。
「おーい!A!何してるんや!戻れー!はよ戻ってこい!」
しかしAはそんな俺の声を無視して、吹雪の中、女の後を追いかけて行きました。
俺は測量の道具を放り出して後を追いました。
Aはヨロヨロと木立の中を進んでいます。
「ヤバイって!マジで遭難するぞ!」
このままでは自分もヤバイ。
本気でそう思いました。
逃げ出したいっていう気持ちが爆発しそうでした。
周囲は吹雪で真っ白です。