コンパスを読んで野帳に記入した後、
俺は小走りでAのそばに行って尋ねました。

「今、お前の後ろに女立っとったぞ、気ぃついてたか?」

「またそんなこと言うて、止めてくださいよー」

笑いながらそんなことを言っていたAも、俺が真剣だとわかると、

「・・・マジっすか?イヤ、全然わかりませんでしたわ」

と、表情が強ばりました。