10階位まで上ったでしょうか。私は少しおかしなことに気づきました。

外からこのビルを見たときは、10階もなかったような気がしたのです。

しかしAは、「もっと行くぞ」と張り切って進んで行きます。

私達は階段をどんどん上って行きました。

20階くらいまで来て、私は完全におかしいと思いました。

階段も何故か古くさく、じめじめした感じになっていました。

ゲームのバイオハザードに出てくる苔むした嫌な階段みたいな感じです。

私はこの時点でかなり怖くなっていたので、
Aに向かって「ねえ、もう引き返そうよ。絶対変だよ、これ」と言うと、
先を行くAは私に背中を向けたまま、「ハハハ、変だね」と言います。

何をふざけてるんだと、少し気分を悪くした私は、

「何笑ってんだよ!帰ろうって言ってるんだよ!」

と少し語気を荒めました。

するとAはまた、「ハハハ、変だね」と言います。

私はそのAの言葉にさらにムッとしましたが、
階段を上っていくAの姿が少しおかしいことに気づきました。