そしたら、白いのっぺりした何かが、
めちゃくちゃな動きをしながら車に近づいてくるのが見えた。

形は『ウルトラマン』のジャミラみたいな、

頭がないシルエットで、足は一本に見えた。

そいつが、

例えるなら

『ケンケンしながら両手をめちゃくちゃに振り回して身体全体をぶれさせながら』

向かってくる。

めちゃくちゃ怖くて叫びそうになったけど、なぜかそのときは、
隣で寝てる娘がおきないようにって変なとこに気が回って、
叫ぶことも逃げることもできないでいた。

そいつはどんどん車に近づいてきたんだけど、
どうも車の脇を通り過ぎていくようだった。

通り過ぎる間も、「テン・・・ソウ・・・メツ・・・」
って音がずっと聞こえてた。