こんな話を誰かにするわけもなく、またする必要もなく、
ただ毎日を懸命に生きてくだけだ。
祖母から一通の手紙が来たのは、そんなごくごく当たり前の日常の中だった。
封を切ると、祖母からの手紙と、もう一つ手紙が出てきた。
祖母の手紙には、俺への言葉と共にこう書いてあった。
『篠塚先生から渡されていた手紙です。四十九日も終わりましたので、
篠塚先生との約束通り義満ちゃんにお渡しします』
……篠塚先生の手紙。
今となってはそこに書かれている言葉の真偽が確かめられないし、
そのままで書く事は俺には憚られるので、崩して書く。