翌日、とりあえず近所の寺に行く。

さすがに会社どころじゃなかった。

お坊さんに訳を説明すると、

「専門じゃないから分からないですね~。
 しばらくゆっくりしてはいかがでしょう。きっと気のせいですよ」

なんて呑気な答えが返ってきた。

世の中こんなもんだ。

その日は都内では有名な寺や神社を何軒か回ったが、どこも大して変わらなかった。

疲れはてた俺は、埼玉の実家を頼った。

正確には、母方の祖母がお世話になっている、篠塚先生なる尼僧に相談したかった。

っつーか、その人以外でまともに取り合ってくれそうな人が思い浮かばなかった。