菊地を信用させないと何も進まなかったため、
俺は淡々と昨日の出来事を説明した。

最初はネタだと思っていた菊地も、やっと半信半疑の状態になった。

仕事終わり、俺の部屋に来て確かめる事になった。

夜10時、幸いにも早めに会社を出られた菊地と俺は部屋に着いた。

扉を開けた瞬間に、今朝嗅いだ悪臭が鼻を突いた。

締め切った部屋から熱気とともに、まさしく臭いが襲ってきた。

帰りの道でもしつこいくらいの説明を俺から受けていた菊地は、

「……マジ?」と一言呟いた。

信じたようだ。

問題は、菊地が何かしら解決案を出してくれるかどうかだったが、
望むべきではなかった。

とりあえず、お祓いに行った方がいいことと、
知り合いに聞いてみるって言葉を残し、奴は逃げるように帰って行った。

予想通りとしか言いようがなかったが、奴の顔の広さだけに期待した。

臭いとこに居たくない気持ちから、その日はカプセルホテルに泊まった。

今夜も出たら終わりかもしれないと思ったのが本音。