当時の会社は上司が帰るまで新人は帰れないって暗黙のルールがあって、
毎日遅くなってた。

疲れて家に帰って来て、ほんと今思い出しても理解出来ないのだが、
部屋の入口にある姿見の前で、『してはいけないこと』をやったんだ。

試そうとか考えた訳ではなく、ふと思い付いただけだったと思う。

少し細かな説明をする。

当時の俺の部屋は、駅から徒歩15分、八畳ワンルーム、
玄関から入ると細い廊下があり、その先に八畳分の部屋がある。

姿見は部屋の入口、つまり廊下と部屋の境目に置いていた。

俺が菊地から聞いていたのは、
『鏡の前で△をしたまま右を見ると◆が来る』とか言う話だった。