幼少のころ、蜂に刺されて父に泣きついたとき「傷口におしっこをかければ大丈夫」と言われた記憶がある。しかしこれは全く意味のない行為であった。

蜂に刺されたらおしっこをかける・・・これには2つの間違いがある。
まず一つは、おしっこ(尿)にはアンモニアは含まれていない。体内に生じたアンモニアは、肝臓において尿素に変えられる。そして尿素は腎臓でこしとられ尿として排出される。そのため蜂に刺された傷口におしっこをかけても中和反応など起きない。なお、おしっこを長時間放置しておけば、尿素がアンモニアに変化する。これがトイレの臭いにおいの原因である。

また、蜂刺されの痛みの原因はギ酸だと考えられていたが、痛みの原因は蜂に含まれているたんぱく質が原因である。なので、そもそもギ酸とか中和とかの話ではなくなる。

以上より、蜂に刺された傷口におしっこをかけることには全く意味がないことがわかる。