厚生労働省が2014年7月にまとめた「国民生活基礎調査」によると、等価可処分所得(※1)の中央値の半分の額に当たる「貧困線」(2012年は122万円)に満たない世帯の割合を示す「相対的貧困率」(※2)は16.1%だった。これらの世帯で暮らす18歳未満の子どもを対象にした「子どもの貧困率」も16.3%となり、ともに過去最悪を更新した。
これは、日本人の約6人に1人が相対的な貧困層に分類されることを意味する。この調査で生活意識が「苦しい」とした世帯は59.9%だった。貧困率が過去最悪を更新したのは、長引くデフレ経済下で子育て世帯の所得が減少したことや、母子世帯が増加する中で働く母親の多くが給与水準の低い非正規雇用であることも影響した、と分析されている。