舌苔をタオルでとるとき、注意していただきたいことがあります。

それは、同じ箇所をこするのは、せいぜい三、四回以内にとどめたいということです。

というのは、舌の樹穀乳頭や一部の茸じ状乳頭には、乳頭をとりまく深い溝の壁に味 一覚器である味曹があり、知覚神経が集中しているうえ、舌の粘膜にも、知覚神経が広く分布しているためです。

そうした、いわば感覚器である舌に、余計な刺激を与えることは、好ましくないのです。

実際、はじめてタオルで舌苔をぬぐうことを実行した人に、舌の感じについて感想を求めると、最初であるから徹底的にその作業をおこなうこともありますが、「舌の奥のほうがすこしヒリヒリするとか、ちょっと熱く感じている」という人が多いようです。

その感覚は、最初の一週間ほどはつづくようです。

しかし、舌苔をぬぐうことを毎日の習慣にするようになれば、そうした感じもなくなり、同じ箇所を三、四回こするだけで、じゅうぶんきれいにできるようになるはずです。

舌苔をとると、みなさん、舌が軽やかになった、スムーズに動くようになったという感想をもつ方が多いようです。

舌苔をとるとき、乾いたタオルをつかうのが標準的な方法です。このとき、舌苔をこすると、タオルのループはすぐに目づまりしてしまいます。

そこで、指に巻いたタオルの位置をずらして、新しい面でみがくようにすることがたいせつです。

ところで、わたしは舌苔をとるとき、水で濡らしてすこししぼったタオルをつかって舌をみがいています。このほうが、乾いたものよりも舌に「やさしい」し、夏などには冷たくて気持ちがよいものです。

もちろん、その人につく舌苔の量や刷掃感の好みによって、乾いたもの、濡れたものをつかえば結構です。乾いたタオルのほうが強い刷掃力があります。