悪い習慣、で胃も老化します。

「内視鏡の画像には、その人の生活が映し出される」ー そう言っても過言ではありません。

内視鏡で胃の様子を見れば、その人がどんな生活 を送っているか、おおよその見当がつくことが多いからです。

つまり、健康長寿につな がるようなよい習慣を保っているか、自分から病気をつくるような悪い習慣に染まっているかが、胃の内視鏡画像に映し出されてしまうのです。

長年患者さんの上部消化器官(食道・胃)や大腸を内視鏡で見ている医者からすればその患者の状態を内視鏡から推し測るのは朝飯前。

問題があれば体のあちらこちらで老化が始まるのと同じように、胃でも老化が 進んでいきます。

「胃の老化」とは、粘膜が薄くなり、粘膜の下を通っている血管が透 けて見えるような状態のことです。これを「胃粘膜の姿縮」と言います。

胃粘膜の炎縮は、だいたい%歳を過ぎたあたりから多くの人で始まります。そして姿縮の度合いが進んでいきます。

この胃粘膜の妻縮が進行する と、やがて胃がんが発症する素地になるということが知られています。

ここでは簡単に述べるにとどめますが、胃の粘膜が薬委縮すると、そこに胃炎が起こり やすくなり、炎症が続くとそこから「腸上皮化生」というがんの一歩手前の前がん状 態、というものが現れます。

そこからすぐ発がんしたり、「臆腫」というプロセスを経てがん化するなど、粘膜の葉委縮が。がんの発端、になるのです。