1990年代以降の貯蓄率の低下を説明する1つの理論が「ライフサイクル仮
説」です.ライフサイクル仮説(Life Cycle hypothesis)とは次のような考
え方です.人は一生の間に稼ぐ生涯所得を前提に消費や貯蓄を行い,一生を通
じて平均的な消費水準を達成するように消費(貯蓄)を計画します.人の所得
や資産は勤続年数が増すにつれ増加し,退職時に最大値に達すると考えられま
す.退職後の隠居期間は労働期間に蓄えていた貯蓄を取り崩しながら消費生活
を行います.この隠居期間の貯蓄率はマイナスになります
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