無痛治療の考え方として重要なのは虫歯を無痛治療することではなく、虫歯にならないような治療をすることです。
厳密には治療ではなく予防歯科と呼ばれる分野です。
これまでの歯科でも虫歯予防のための歯磨きを指導することは多かったのですが、その通りにできる人はほとんどいません。
毎晩、寝る前に歯磨きをした方がいいことは誰でもわかっているはずです。
しかし、つい歯磨きをせずに寝てしまうのです。
それを何とかすることができれば虫歯にはなりません。
また、子どもと違って大人になると虫歯ができてもあまり痛みを感じません。
そのため虫歯に気が付かないのです。
虫歯で痛くなるのではなく、治療で痛くなります。
そのため、余計に歯医者に行きたくなくなり、悪循環に陥ってしまいます。
そして、どうしようもなくなってから歯科医で診察してもらうのです。
もちろん、その時点では無痛治療をすることが難しくなっていることでしょう。
つまり、歯科医だけが無痛治療を積極的に行ったとしても、その指示通りにできない患者には役に立ちません。
それではどうすればいいのでしょうか。
簡単で効果的な歯磨きの仕方をアドバイスしたり、定期的な通院を促したりすることも立派な無痛治療です。
高価な設備を導入したり、薬品を使用したりすることだけが歯科医の仕事ではありません。
虫歯の痛みを和らげるために何ができるかを考えてくれる歯科医を選ぶことが重要でしょう。
最近の歯科医は優しく説明してくれるはずです。