後妻としてシニア男性に近づき、遺産をガッポリ横取りするビジネス――その名も"後妻業
後妻業という言葉は作家・黒川博行氏の作品名に由来し、2014年に発覚した筧千佐子被告の事件で広く知られることに。
大阪では視聴率王やしきたかじんの死後、後妻と長女との間で泥沼バトルが勃発。後妻目線で描かれた、たかじんの闘病記『殉愛』の真偽を巡り、裁判沙汰の大騒動にまで発展した。
また、京都では筧(かけひ)千佐子被告が夫と元交際相手を次々に毒殺し、計約10億円の遺産を手にしたとされる。
高齢者の結婚は愛情だけで結びつくというより、余生を少しでも物心豊かに過ごすことを第一目的にしているため「条件婚」の性格が強くなる
この場合、男性側が身の回りの世話などを求める一方、女性側は先立つはずの男性から老後の補償を受け取ることを期待する
無資産、無収入で婚期を逃した中高年女性にとっては、貯金はなくても、自宅を保有し、月20万円ぐらいの年金をもらっている高齢者は、かなりの魅力なんです
50~60代の女性でも、70~80代の高齢男性にとっては十分若い。
「孤独な高齢者が、20歳近くも若い女性に手を握られ、"出会えてよかった""遺言状を書いて"などと言われれば、コロッといってもおかしくありません」
遺産目当てで後妻に入り、あの手、この手で自分が少しでも多くせしめようというケースはゴロゴロあると思います。最初は高齢の父の面倒を見てくれるということで喜んだものの、その後、後妻の様子がおかしいということで調査を依頼される方は多くいます
筧容疑者のように刑事罰に処されなくとも、高齢の夫の死を待って遺産をしっかりともらう女性たちを“消極的後妻業”と名づけました。そうした女性は数多くいるでしょう。ただ、事件として取り上げられることがないだけなんです
たとえ変だと気づいていても“それでもかまわない”という気持ちになる。自分をないがしろにする子供たちに比べたら、自分を好きだと言ってくれて一緒にご飯を食べてくれて、夜の相手もしてくれる女性のほうがずっといい。
生活感がない部屋、ウィークリーマンションなどのケースは疑うべき。いつでも逃げられるように、住まいを転々としている可能性があります
生前の遺言状作成は要注意です。"口授(くじゅ)"といいますが、遺言状作成者本人が身体的に弱っている場合は、誰でもいいので証人2人と、本人のサインとされるものだけで、代理人が作成した遺言状の下書きでも有効となります。後妻がその気になれば、夫を病気に仕立て、"全部、妻に相続する"とデッチ上げることも可能なんです
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