怖い話3

怖い話をあつめてみました。

ヨシよし由 さん

92 PV

猛暑と仕事で疲れていた私は、いつもよりかなり早めの9時頃に、子供と一緒に就寝することにしました。疲れていたので、すぐに寝入ることは出来ましたが、
早く寝過ぎたのと暑さのせいか、夜中に目が覚めてしまいました。

まだ目は閉じたままでしたが、ふと気が付くと、軽く握った自分の左手のひらの中に、何かがありました。
それは誰かの人差し指のようでした。
同じベッドに寝ている子供は自分の右側にねているはずです。
いつもそうしてますから...。それに、それは子供の指にしては大きすぎるのです。
ドキッとしましたが、目を開けて確かめる勇気はありませんでした。
それなのに、自分でもどういう訳か分かりませんが、反射的にギュッとその指を握ってしまったのです。
それは確かに人間の人差し指でした。
不思議と恐怖心は湧いてきませんでした。
というより、その指はどこかでさわったことの有るように感じで、懐かしくさえ有りました。
妻か、あるいは親か...とにかくそんな感じがしました。
そんなことを考えていると、左手の中に握られた指の感触が、スッとふいに消えて無くなりました。

しかし、今度はすぐ横に人が座っている気配、というより圧迫感を感じました。
その圧迫感が段々と重みに変わってきて、体中から冷や汗がドッと出てきました。
こんなことは、初めての体験でした。さすがに怖くなってきて、知っているお経を頭の中で何度か唱えました。
しばらくすると、その気配も突然スッと消えて無くなりました。

ほっとして、ゆっくりと目を開け、まわりを確認しましたが、何も変わったところは有りません。
子供は静かな寝息を立てて、やはり右側にねていました。

しばらく横になって、今の出来事を思い返してみました。
その時、ふっと亡くなった祖母の記憶が蘇ってきました。
自分にとって祖母は母親代わりの人でした。そんな祖母が老衰と院内で感染した病で、
余命幾ばくも無くなっていた時の事です。
週に何度か見舞いに行っていましたが、いつもはただ寝ているだけの祖母が、
その日に限って目をぼんやりと少しだけ開けており、私に向かってゆっくりと手を差し出してきたのです。
まるで助けを求めているかのようでした。

私はある種の恐怖心のようなものをその時感じてしまって、弱々しく差し出されたその手を、
どうしても握り返してあげる事が出来ませんでした。それからしばらくして祖母はなくなり、
自分はその日の事を少し後悔しました。
ふと気づくと…自分の左手のひらの中に、何かがありました。
感傷的になってると思われるでしょうが、あるいはさっき握った指は、
祖母のものだったのかも...と思うと泣けてきました。

ある夜、1人男性(妻子持ち)がパ*ンコをやってると、何処からか
「キャー」という女の悲鳴が聞こえてきた。
しかし、周りを見渡しても悲鳴を上げたらしい女性の姿は無く、他の人達も
まるで気にしていないみたいなので、その日は空耳かと思った。
だが、その後もたびたび悲鳴が聞こえてくるので、
従業員や顔見知りの客にたずねたが、誰も悲鳴など聞いていないと言う。
ところが、1人の常連客にこの事を話すと、
「以前、ある母親が家に子供を置いてパ*ンコをやってたら家が火事になって子供が焼死し、
その後母親も自*したという事件があった」と言い、他に思い当たるような事件や事故は起きていない為、
「その悲鳴を上げているのは自*した母親の幽霊ではないか?」と言ってきた。
それを聞いた男は怖くなったが、それでもこの店は結構稼げるので、通い続けた。
そんなある日の事、いつもの悲鳴ではなく、「早く帰りなさい!」という女の声が聞こえた。
彼は子供を焼死させた母親の話を思いだし、もしや妻や子供の身に何かあったのでは!?と思い、
すぐさま家に駆け戻った。
しかし、家では何事も無く、妻は呑気にテレビを見ているし、子供はスヤスヤと寝ていた。
あれは何かの聞き間違いか?と思った彼だが、翌日、パ*ンコ店へ行くと、
昨夜、彼が去った直後に酔っ払い運転のトラックが店に突っ込んだらしく、
ちょうど彼がいたあたりの台が大破していた。

もしあのままパ*ンコを続けていたら、良くても大怪我していたか、
下手したら死んでいたに違いない。

あの声の女性は彼の命を救ったのだった。

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