生物の細胞内でつくられるタンパク質性の触媒の総称。
生命の存在するところ,単細胞生物である微生物から,
多細胞生物である植物,動物,そして人間にいたるまで,
酵素はあらゆる生体の中で生命の営みに不可欠の存在である。
酵素の主成分であるタンパク質は,各生物固有のDNAの遺伝情報に基づいて,
約20種類のL型α‐アミノ酸がNH2末端から順次ペプチド結合によって
連結されることによって合成されたポリペプチド鎖が,
構成アミノ酸残基の側鎖間相互作用によって
三次元の立体構造を形成することになるが,
酵素タンパク質は他の構造タンパク質,
たとえば筋肉タンパク質や膜タンパク質と異なり,
分子の一隅に活性中心を備えている。