シルエット(フランス語: silhouette)は、輪郭の中が塗りつぶされた単色の画像のこと。影絵と同義に見なされる場合もある。
元々は18世紀ヨーロッパに起った、黒い紙を切り取って人物の横顔を表現した切絵に対して用いられた言葉で、そこから明るい背景に対して事物が黒く塗りつぶされて見えるような光景や、物の形そのものを言い表す語として用いられるようになった。
「『シルエット』という言葉の由来は節約のため、肖像画を黒だけで描かせた人物の名前です。それは18世紀フランスの大蔵大臣『シルエット』のことです。このことは、世界でもっとも権威のある英語辞典『The Oxford English Dictionary』にも記されています。」
18世紀中ごろ、フランスは度重なる戦争により、未曽有の財政難に陥っていた。
そんな中大蔵大臣に就任したシルエットは、財政難の原因の一つである貴族たちの贅沢をおさえ、節約させる策を日々考えていた。
【補足トリビア】
①「シルエット」は1759年に仏の大蔵大臣に任命されたエティエンヌ・ド・シルエットという人の名前に由来している。当時のフランスは深刻な財政難を抱えており、シルエットは厳しい財政政策に着手するようになった。その一環としてシルエットは他の貴族や大臣たちがおかかえの画家に自分の肖像画を描かせる際、「色をつけるのがもったいない」との理由で肖像画を黒一色で描くことを強制した。そのことでシルエットは貴族たちに嫌われ、また厳しい税制を強いたことで国民からも嫌われており、人々は「ケチ」「安上がり」といった意味を込めて黒だけで描いた絵を「シルエット」と呼ぶようになった。
②シルエットはあまりの政策の厳しさから国民に反感を買い、結局わずか9ヶ月で大蔵大臣をクビになった。その後、田舎に帰った彼は意地になって切り絵などの「シルエット」の制作に取り組んだ。徐々にその魅力にとりつかれ、最後は自分の城をつくり、その中を自作の「シルエット」コレクションで埋め尽くした。
③この「シルエット」というアートの手法は18世紀半ば~19世紀半ばにかけてヨーロッパで流行し、1835年に「シルエット」という言葉が正式なフランス語として認められた。
【高橋語録】
私はシルエットが怪しいということで職務質問を受けました。
「シルエット」の語は、フランス王ルイ15世の治世下で財務大臣を務めたエティエンヌ・ド・シルエットに由来する。
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