事業売却とは?事業売却のスキーム6つのについて

事業売却ことM&Aは、近年注目を集めるビジネスのひとつです。
事業売却の基本、そして事業売却のスキーム6つのについて特集しました。

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事業売却の本来の意味合い

字面から想像できる事業売却と実際の事業売却は、少々食い違いがあるかもしれません。
事業売却の詳細について、ご紹介します。

事業売却とは、会社や組織として行っている事業の一部や全部を会社に譲渡することです。

不採算事業やノンコア事業の切り離し、事業承継の一環として主力事業を承継させるために事業売却を行うなど、その目的は様々です。

基本的に事業売却は事業譲渡と呼ばれる手法を前提としたスキームで実行されるケースが一般的です。

事業売却のメリット

事業を手放せば、もちろんそれまで育て上げた事業は手元から離れてしまいます。
ですがそれでもなお、事業売却には大きなメリットが伴います。

まず、事業売却による売り手側のメリットとして売却益を得られることが挙げられます。事業売却とは会社売却とは異なり、売買契約によって成立します。契約が成立することによって売却益を得られるところに大きなメリットがあると言えるのです。

事業を引き継げる後継者がいないため、本業は第三者へ事業譲渡し、経営の負担が少ない事業(不動産賃貸業など)だけを会社に残して、引退後の生活資金を確保するというケースがあります。

オーナーが法人格を手放せないような事情がある場合、既存の事業すべてを事業譲渡によって第三者へ承継し、残った法人格を使用して新しい事業を始めることも可能です。

事業売却のデメリット

上記のようなメリットにつながる事業売却ですが、注意すべきデメリットもいくつか存在します。
得の多い売却を実現するなら、以下への理解も欠かせません。

事業譲渡は売り手会社との直接取引になるので、譲渡に際してまとまった資金が必要になります。譲渡される事業の規模が大きければ大きいほど高額になるため、大手企業のM&Aでは敬遠されがちです。

業譲渡による承継は会社そのものを買うわけではないので、譲渡されたすべてを新しい会社のものとしなければなりません。従業員は売り手会社を辞めて、新しい会社と雇用契約を結び直します。もちろん1人ひとりの同意を得てからのことです。また、取引業者や金融機関などに対しても名義変更をし、新たな契約を結ばなければなりません。

譲渡会社は、20年間同一の市町村の区域内およびこれに隣接する市町村の区域内で、譲渡をした事業と同一の事業を行うことが禁止されます(会社法21条|譲渡会社の競業の禁止)。そして、この期間は当事者の合意によって30年まで伸長することができるとされています。

事業売却のスキーム

事業売却の枠組みは、ひとつでありません。
主に、6つのスキームに分類されています。

株式譲渡 事業譲渡 新株発行 合併 株式交換・株式移転 会社分割

M&A(企業の合併・買収)の方法は6種類あり、自社を売却するときには一番適切なスキームを選ぶことが必要です。

M&Aではこれらのスキームのうち自社に最適なひとつを選んで実行することになりますが、中小企業のM&Aで売り手が選択するとしたら、9割以上が「株式譲渡」か「事業譲渡」のいずれかになるでしょう。

事業売却をする際の注意点

大事な事業を手放すわけですから、もちろん成功した方が良いに決まっています。
事業売却に必要な注意点を、頭に入れておきましょう。

「雇用契約に基づく使用者たる地位」を移転する場合には、対象となる従業員の同意を得なければならないこととされています(会社法625条1項)。契約書には、譲受会社での従業員の処遇に関する事項を定めた上で、事業譲渡の効力発生日までに従業員の同意を取り付ける等の事項を定めておくといいでしょう。

従業員に出向を命じる場合には、出向命令権の濫用にならないように配慮しなければなりません(労働契約法14条)。契約書にも、従業員の処遇に配慮した取扱い方法を記載しておくといいでしょう。

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