前立腺がんは転移する?転移した場合は完治するのか

前立腺がんは、元々アメリカの男性に多い癌でした。しかし近年、日本人の食の欧米化や生活の変化によって、日本人男性でも前立腺がんを患う人が急増しています。ここでは、そんな前立腺がんのこと、そして前立腺がんの転移についてまとめました。

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前立腺がんについて

まずは、前立腺がんとはどのような病気なのか、見ていきましょう。

前立腺は男性のみにある臓器です。膀胱の下に位置し、尿道のまわりを取り囲んでいます。栗の実のような形をしています。

前立腺がんは、前立腺の細胞が正常な細胞増殖機能を失い、無秩序に自己増殖することにより発生します。早期に発見すれば治癒することが可能です。また、多くの場合比較的ゆっくり進行します。

がんが進行すると、尿がでにくい、排尿時に痛みを伴う、尿や精液に血が混じる、などの症状がみられることがあります。

前立腺がんは初期にはほとんど自覚症状がないため、早期発見のためには人間ドッグなどの定期的な健診が必要です。

前立腺がんには、「手術療法」、「放射線療法」、「内分泌療法(ホルモン療法)」など、さまざまな治療法があります。これらの治療を単独あるいは組み合わせて行います。

治療法は、がんの進行度(広がり)や悪性度、また、患者さんの全身状態、年齢などを考えて、最適な方法を選択することになります。

癌が前立腺の中に限局している場合には前立腺摘除術といって、前立腺を取る手術で癌を取り除きます。前立腺と一緒に精嚢という精子を一時的に貯める部分も取り除き、精管という精子を運ぶ管を切ってしまいます。前立腺を摘出した後に膀胱と尿道を縫ってつなぎます。

②放射線療法

放射線治療は、高エネルギーのX線や電子線を照射してがん細胞を傷害し、がんを小さくする療法です。外照射療法と、組織内照射療法があります。いろいろな方法があり、治療期間や副作用のあらわれかたなどに特徴があります。しかし、それぞれの方法を直接比較したデータがないため、どの方法が一番よいかはっきりとしたことはいえない現状です。

③内分泌療法(ホルモン療法)

前立腺がんには、精巣や副腎から分泌されるアンドロゲン(男性ホルモン)の刺激で病気が進行する性質があります。内分泌療法は、アンドロゲンの分泌や働きを妨げる薬によって前立腺がんの勢いを抑える治療です。内分泌療法は手術や放射線治療を行うことが難しい場合や、放射線治療の前あるいは後、がんがほかの臓器に転移した場合などに行われます。

抗癌剤を使う方法で、通常はホルモン療法が有効でないか、ホルモン療法が効かなくなった場合(去勢抵抗性前立腺癌)に用いられます。現在タキサン系といわれる抗がん剤が前立腺癌に有用であることが示され、日常的に使用されています。こうした薬剤は食欲不振や全身倦怠、脱毛、手足のしびれ感、骨髄抑制などの副作用が見られることがありますが、投与量により副作用のコントロールが可能な事が多く、外来治療で施行できる方が多くいらっしゃいます。

前立腺がんの転移について

前立腺がんはリンパ節と骨(特に脊柱と骨盤骨)に転移しやすいがんです。

リンパ節に転移すると下肢のむくみ、骨に転移すると痛みや下半身の麻痺が生じることがあります。

前立腺がんは、初期のステージでは自覚症状がほとんどないと言われています。そのため、自覚できるような症状が現れてくるころには、末期がんの状態にまで進行している…という可能性が。

前立腺がんは骨盤、下部腰椎、大腿骨など骨に転移しやすく、腰や脚の痛みのために受診し、初めて前立腺がんだとわかるケースも、少なくありません。

前立腺がんがさらに進行してしまうと、骨やリンパ節だけでなく、肺や肝臓、脳にまで転移する可能性があります。

前立腺がんが転移すると完治する?

がん細胞が発生した場所から離れ、リンパ管や血管を経て、リンパ節やほかの臓器で増殖して腫瘍を形成した「転移」の場合、残念ながら治療が難しくなります。遠隔臓器への転移があれば根治は不可能と考えたほうがよいでしょう。

■前立腺がんが転移したときの治療法

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